ムラサキツバメ

ムラサキツバメ

 1月下旬、風もなく、冬の日差しが暖かく感じられる日でした。蓬沢の南斜面での作業の休憩時間、目の前のアオキの葉にムラサキツバメの雌が止まり、直ぐに翅を拡げて日光浴を始めました。 この時期、チョウとの出会いは珍しいのですが、この日は、その他、ムラサキシジミ、クロコノマチョウ、キタキチョウを見かけました。  ムラサキツバメは、以前は近畿地方以西に生息していましたが、温暖化の影響で1990年代頃から徐々に東海、関東地方に進出し、今はそのほぼ全域にまで生息域が拡がりました。チョウの越冬の形態は卵、幼虫、蛹、成虫とありますが、このムラサキツバメは成虫で冬を越します。また、その越冬の仕方も独特で、日中、日差しがあり暖かい日には日向に出てきますが、それ以外の時はマテバシイ、アオキ、ヤツデなどの常緑広葉樹の雨風を凌げる葉表に雄雌が入り混じり、数頭から数十頭が集団で越冬します。 ... 【続きはコチラから】

キンモンガ

キンモンガ

 日本には約240種のチョウが知られており、ガは6,000種、と桁違いに多くが存在します。この中には、外見はチョウとそっくりで昼間に活発に活動したり、チョウと同じ花で吸蜜するものもいます。  キンモンガはそんなガの一種です。9月、ヒヨドリバナが咲き始めると、チョウや蜜蜂、アブ、甲虫など様々な昆虫が訪れますが、それに交じって綺麗な黄色と黒のコントラスト鮮やかなキンモンガが吸蜜していました。キンモンガは本州、四国、九州に生息します。また、黄色の部分が淡黄色、白色の種も存在します。 ... 【続きはコチラから】

ラミーカミキリ

ラミーカミキリ

 黒いサングラスに黒の上下と白いシャツ、粋なオジサン風。まるで誰かが創ったようにも見えます。調べるとラミーカミキリで、その風体からパンダカミキリ、ドクロカミキリとも呼ばれているようです。 ラミーはイラクサ科の多年草植物で熱帯、亜熱帯地方で見られ、古くから植物繊維として利用されてきました。ラミーはマレー語ですが、日本でも同種のものをカラムシ、マオなどと呼び、縄文時代から上質の植物繊維の原料として栽培されてきました。 ラミーカミキリは、このラミーを食草とし、幼虫は茎の中で冬を過ごし、翌年、羽化します。また、このカミキリは、明治期以降、栽培種のラミーと一緒に中国大陸から入ってきた外来種と考えられ、当初は西日本に分布していましたが、近年は関東地方でも見ることが出来ます。... 【続きはコチラから】

ツマキシャチホコ

ツマキシャチホコ2023.8

 猛暑の一日でした。里山管理事務所付近、路上の木切れにふと目が留まりました。何と木切れから脚のようなものが出ており、しゃがんで良く見ると木切れの端は目があり頭部のようにも見えました。更に、上部には毛が生えていることも分かり、ガの一種だと思いました。  調べてみるとシャチホコガ科のツマキシャチホコ亜科の一種と言う事が分かりました。この亜科は擬態で有名で、日本には5種類生息するそうですが、この写真の種を特定することは出来ませんでした。たまたま路上にこの木切れだけがあったので目に留まりましたが、他の場所でしたら全く気付くことはなかったと思います。擬態にも色々あるのですね。 ... 【続きはコチラから】

ヒヨドリバナと蝶

ヒヨドリバナと蝶

 夏の加治丘陵、ヒヨドリバナは、白い花で日当たりの良い場所でよく見掛けることが出来ます。キク科の多年草で高さは1~2m位になります。  この花は、フジバカマと同様、アサギマダラが好む吸蜜草で当グループでは3年前より「加治丘陵をアサギマダラの飛来地に」との思いで花見の丘、霞沢などで積極的に保護をしています。また、ヒヨドリバナは、アサギマダラ以外にも多くの蝶や昆虫の吸蜜草としても大事な植物です。 7月下旬、花見の丘の東斜面、満開のヒヨドリバナの上をツマグロヒョウモンの雄が反時計回りに占有行動をとっていました。 ... 【続きはコチラから】

イチモンジカメノコハムシ

イチモンジカメノハコムシ

 快晴の春の一日、霞沢で葉の上に一匹の不思議な虫を見つけました。 テントウムシ位の大きさで、カメの甲羅のような体を、透明なプラスチックで覆っているような感じでした。触れると、自分から地面に落ち、草の陰に隠れてしまいました。  調べてみるとこの虫は、ハムシ類に属し、ムラサキシキブを食草としており、通常は葉の裏に張り付いているので見つけにくいとの事、とてもラッキーでした。また、幼虫は、脱皮殻や糞を背中にくっつけたまま成長すると言う奇妙な習性を持っているようです。 ... 【続きはコチラから】

ハンショウズル

ハンショウズル

 快晴の5月の一日、北コース道端の草むらに赤紫色をした下向きに咲く数輪の花を見つけました。形は、その名の通り火の見櫓の半鐘のようで、その色と形がとても印象的でした。この植物は、ツル状でテッセンに似ています。葉は、対生で3枚で一組です。 本州、九州と広く分布しているようですが、絶滅危惧種に指定した県もあります。加治丘陵でも大事にしたい植物の一つです。 ... 【続きはコチラから】

ミヤマセセリ

ミヤマセセリ

 3月下旬、春の訪れを知らせるミヤマセセリを見つけました。  ミヤマセセリは、木漏れ日が林床に届くコナラ、クヌギなどの雑木林を好んで飛翔します。セセリチョウ科のことを英語でskipperと言いますが、まさに地表近くをスキップするような独特の飛び方で、落葉、石などに翅を横に拡げて休止します。 食草はコナラ、クヌギなど、吸蜜はスミレ、レンゲ、タンポポなどです。幼虫で越冬し、早春に蛹化、羽化します。 ... 【続きはコチラから】

ゴイシシジミ

ゴイシシジミ

 7月の蒸し暑い日、さとやま管理事務所横、林床の笹薮に飛翔する翅裏が白地に黒い斑点のゴイシシジミを見つけました。  日本に生息する7種類の肉食性のチョウの一種です。この全てが小型のシジミチョウ科に属すること、また、何故、肉食に進化したのかも不思議です。7種の中、5種類はアリ、アブラムシの他、ブナ、クヌギ、ワレモコウ等の植物も食物とするが、ゴイシシジミは竹の葉に寄生するアブラムシとその分泌液だけを食餌とする純粋の肉食性チョウです。 ... 【続きはコチラから】

ルリタテハ

ルリタテハ

 3月末、「ふれあいの森」での作業をしていると、素早い動きの黒っぽいチョウが5mほど先の枯葉の上に止まりました。近づくと陽だまりで翅を閉じじっとしていましたが、その内、翅をゆっくり拡げると青色の帯が見えルリタテハの雄であることが分かりました。  この時期のルリタテハは越年した成虫で冬の間は岩の下などで過ごし、早春より5月頃まで生存します。個体発生は通常、年3回あり、飛翔は敏捷、オス同士の追飛、占有の習性も見られます。 食草はユリ、ホトトギス、サルトリイバラなどで森林、雑木林、林縁などに多く生息しますが、近年、ホトトギスの家庭での栽培とともに平地でも見られるようになっています。 ... 【続きはコチラから】