ブログ

このエントリーをはてなブックマークに追加
NPO法人加治丘陵山林管理グループのブログです。

ブログ一覧

マムシグサの性転換

マムシグサ

 マムシグサは低山地の木陰で生育する雌雄異株の多年草でサトイモ科です。てっぺんの鶴の頭のような形のものは苞で、花はその中にあります。秋になると赤い実が房状につき、根は地中でイモのように大きく成長します。この実とイモは猛毒です。  その奇異な形状で名前は良く知られていますが、性転換をすることはあまり知られていません。マムシグサは最初の数年は無性個体ですが、成長すると、最初はオスに、更に大きくなると性転換してメスになります。この性転換はイモのサイズによることが明らかになっています。即ち、イモのサイズが小さい時はオス、大きくなるとメスになります。しかし、メスになっても栄養状態が悪くなると再びオスに戻ってしまいます。また、生育環境が悪化すると、より抵抗力の強いオスに変化し、環境に適応して種を残します。 ... 【続きはコチラから】

春の妖精

ウスバシロチョウ♀

 木々は芽吹き、木蓮やスミレなどが咲き、加治丘陵にも春の兆しが感じられるようになってきました。季節の変わり目のこの時期、チョウも成虫で冬を越すキタテハ、ルリタテハ、キタキチョウ、ムラサキシジミ、ウラギンシジミなどが暖かい日には、色褪せた翅を拡げ、日光浴をしているのを見かけます。  また、モンシロチョウ、モンキチョウなど春一番に羽化したチョウも飛翔を始めます。この中には”春の妖精”(スプリング エフェメラル)と呼ばれるチョウたちがいます。エフェメラルは、”短命な動植物”の意ですが、チョウの中にも一年に一回、この時期だけに出現する春一化性のチョウがいます。この春一化性チョウ、加治丘陵ではでこれまでにツマキチョウ、コツバメ、ミヤマセセリ、ウスバシロチョウを見ることが出来ました。 ツマキチョウ、コツバメは蛹で冬を、ミヤマセセリは幼虫で、ウスバシロチョウは卵で冬を越し、春先に成虫になります。 ... 【続きはコチラから】

アサギマダラ

アサギマダラ

 10月中旬、14時30分、気温28度、微風、晴れ、雲量は約60%、チョウの活動には好条件でした。この時期、霞沢の東屋のある平地ではモミジ、ウワミズザクラなども少し色付き、カンザクラがちらほらと咲き始めていました。その東端には沢があり丸太橋を渡るとヒヨドリバナの群生地です。丘陵の北斜面林縁にあるこの地は、日照が場所によって大きく異なります。そのため、ヒヨドリバナの開花期も7月から11月までと長期になり、多くのチョウ、昆虫などが吸蜜に訪れます。  ここでは当グループが3年前より「アサギマダラの飛来地整備計画」の一環としてヒヨドリバナの保護育成活動をしており、毎秋、その成果としてのアサギマダラの飛来を心待ちにしていました。その日も、同じ思いでヒヨドリバナの群生地を見渡すと、東側の林縁、日陰のヒヨドリバナで吸蜜している一頭のアサギマダラが目に入りました。この地で初めての出会いになりました。今後、この地が多くのアサギマダラにとって安全な吸蜜地になることを願っています。 ... 【続きはコチラから】

クロヒカゲ

クロヒカゲ

 クロヒカゲは、北海道から九州まで、日本全土に分布するチョウで、ササの繁茂した山林で多く見ることが出来ます。日中はササ薮や広葉樹の葉上に静止し、その近くを敏速に飛び回ります。食餌は、クリなどの花の他、クヌギ、コナラ、ミズナラなどの樹液、また、腐熟果、獣糞などです。  この写真は、9月中旬の蒸し暑い日、山仕事の休憩時間に撮りました。最初、汗で湿気たズボンの上から吸水をしていましたが、ズボンから人差し指で掬い取り、放そうとすると、そのまま指に留まり、汗を吸い始めました。チョウの吸水行動は、主としてオスの行動で、汗は、それに含まれる塩化ナトリウムを吸収するため、と言われています。 塩化ナトリウムは、雄の交尾行動を活発にする他、交尾後、雌の体内に注入する精包の重量、有核の精子数にも大きな影響を与えていることが近年の研究から分かってきています。 ... 【続きはコチラから】