上左の写真は、余り良く撮れていませんが、藪の中で休んでいるジャコウアゲハの雌です。
上右は、林床で翅を拡げ休んでいるジャコウアゲハと思い込み、撮った写真です。
家に帰り、その写真をパソコンに取り込み、拡大してみると触角がチョウと異なり、櫛歯状であることが分かりました。櫛歯状、糸状の触角は、ガの特徴で、この写真が、ガの一種であるアゲハモドキの雌であることが分かりました。
因みに、チョウの触角は基本的には、その先端が少し太くなっている棍棒状です。
チョウは、昼行性のガの一部が進化したものと考えられており、生物分類学では、同じ鱗翅目に属します。また、最近ではDNAの遺伝情報の解析により、進化の道筋を分析する研究が進み、例えば、アゲハチョウ科の系統図では、祖先種から本科に属する種がどのように分岐してきたかが分かりました。この結果は、チョウの食性から類推された進化の系統図とも一致します。
チョウはガとともに動物界、節足動物門、昆虫綱、鱗翅目に属します。この鱗翅目は、更にシャクガモドキ上科、アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科を含む、24の上科に分けられ、全部で約16万種が存在します。チョウはこの内、上記3上科だけで、2万種ほどです。日本に生息するのは約240種で、全てアゲハチョウ上科、セセリチョウ上科に属し、シャクガモドキ上科に属するものはいません。