3月末、「ふれあいの森」での作業をしていると、素早い動きの黒っぽいチョウが5mほど先の枯葉の上に止まりました。近づくと陽だまりで翅を閉じじっとしていましたが、その内、翅をゆっくり拡げると青色の帯が見えルリタテハの雄であることが分かりました。

 この時期のルリタテハは越年した成虫で冬の間は岩の下などで過ごし、早春より5月頃まで生存します。個体発生は通常、年3回あり、飛翔は敏捷、オス同士の追飛、占有の習性も見られます。
 食草はユリホトトギスサルトリイバラなどで森林、雑木林、林縁などに多く生息しますが、近年、ホトトギスの家庭での栽培とともに平地でも見られるようになっています。

 8月中旬の一日、気温32℃、晴れてはいるが雲が多く、蒸し暑い日だった。
 沢を渡り、ヒヨドリバナが群生しているこの地に入るとヒグラシの大合唱、林縁の木々にはそれぞれ、ヒグラシが何匹づつか止まり鳴いていた。一本の木の丁度目の高さに一匹のヒグラシがいて、良く見ると腹の上部に白い、繭のような物体が付いていた。調べてみるとセミヤドリガの終齢期の幼虫で、セミに寄生する珍しい種であることが分かった。セミヤドリガ科の種で、日本に生息するのは2種だが、セミに寄生するのはセミヤドリガだけである。

 その生態は興味深く、先ず、8~9月頃、成虫のガは木の割れ目などに卵を産み付ける。越冬した卵は、翌年、セミの成虫が現れる8~9月頃孵化する。孵化した幼虫は、植物などを自分で食べるのではなく、飛んで来たセミに寄り付き、その体液を吸って1齢~4齢まで成長する。終齢の5齢幼虫になると、体全体が蠟状の白い綿毛(写真)のようなもので覆われる。7~9月頃、十分成長した幼虫は、糸を吐きながらセミから離れ、地面や草に降り、そこで蛹になる。
 なお、寄生されたセミは体液を吸収され弱ることはあるが、死に至ることはないと考えられている。