7月の蒸し暑い日、緑のトラスト保全第6号地での木道整備作業の休憩時間でした。飛んできたクロヒカゲがアオキの葉に止まりました。写真を撮ろうと近づいた瞬間、葉陰から前脚の白いクモががっちりと前脚でクロヒカゲの頭部を押さえ込みました。

 白い前脚が珍しく調べてみるとカトウツケオグモでした。カニグモ科ツケオグモ属のクモで環境庁の各県レッドデータの愛知県では希産種として絶滅危惧ⅠB類に指定されている他、複数県でも情報不足とされています。

 この科のクモは網を張らず、待ち伏せで獲物を捕らえます。4対の脚は3対が前方を、1対が後方を向いています。前3対の中の前2対が白く、長く、大きく、これで獲物を捕らえます。

 加治丘陵には珍しいクモも生息していることが分かりました。

 8月中旬の一日、気温32℃、晴れてはいるが雲が多く、蒸し暑い日だった。
 沢を渡り、ヒヨドリバナが群生しているこの地に入るとヒグラシの大合唱、林縁の木々にはそれぞれ、ヒグラシが何匹づつか止まり鳴いていた。一本の木の丁度目の高さに一匹のヒグラシがいて、良く見ると腹の上部に白い、繭のような物体が付いていた。調べてみるとセミヤドリガの終齢期の幼虫で、セミに寄生する珍しい種であることが分かった。セミヤドリガ科の種で、日本に生息するのは2種だが、セミに寄生するのはセミヤドリガだけである。

 その生態は興味深く、先ず、8~9月頃、成虫のガは木の割れ目などに卵を産み付ける。越冬した卵は、翌年、セミの成虫が現れる8~9月頃孵化する。孵化した幼虫は、植物などを自分で食べるのではなく、飛んで来たセミに寄り付き、その体液を吸って1齢~4齢まで成長する。終齢の5齢幼虫になると、体全体が蠟状の白い綿毛(写真)のようなもので覆われる。7~9月頃、十分成長した幼虫は、糸を吐きながらセミから離れ、地面や草に降り、そこで蛹になる。
 なお、寄生されたセミは体液を吸収され弱ることはあるが、死に至ることはないと考えられている。