午前中の下草刈りが早めに終わったので、花見の丘に行ってみました。6月初旬ですが、蒸し暑く、木陰の切り株に腰掛け、食事をしていると下から吹き上げてくる風が心地よく感じられました。遠くに広がる一面の茶畑を眺めていると、視界に右から左に翔ぶ昆虫の姿が入り、左手の林縁に着地しました。見ていると降り立った辺りの草が揺れ続けているので、興味を惹かれ見に行きました。

 草陰に隠れるようにジッとしていたのは、3~4cm位の始めて見る大型の甲虫で、調べるとウバタマムシでした。身近なタマムシの派手な外貌はなく、むしろ地味、タマムシも姥になるとこんな感じになるのか、と思わせるほどでした。このウバタマムシ、幼虫は、松の幹を穿孔して成長するので松材の害虫として知られていますが、近年、赤松林の減少に伴い、生息数も減っています。このため環境省(2015年)、埼玉県(2018年)は、これを準絶滅危惧2型に指定しています。

 8月中旬の一日、気温32℃、晴れてはいるが雲が多く、蒸し暑い日だった。
 沢を渡り、ヒヨドリバナが群生しているこの地に入るとヒグラシの大合唱、林縁の木々にはそれぞれ、ヒグラシが何匹づつか止まり鳴いていた。一本の木の丁度目の高さに一匹のヒグラシがいて、良く見ると腹の上部に白い、繭のような物体が付いていた。調べてみるとセミヤドリガの終齢期の幼虫で、セミに寄生する珍しい種であることが分かった。セミヤドリガ科の種で、日本に生息するのは2種だが、セミに寄生するのはセミヤドリガだけである。

 その生態は興味深く、先ず、8~9月頃、成虫のガは木の割れ目などに卵を産み付ける。越冬した卵は、翌年、セミの成虫が現れる8~9月頃孵化する。孵化した幼虫は、植物などを自分で食べるのではなく、飛んで来たセミに寄り付き、その体液を吸って1齢~4齢まで成長する。終齢の5齢幼虫になると、体全体が蠟状の白い綿毛(写真)のようなもので覆われる。7~9月頃、十分成長した幼虫は、糸を吐きながらセミから離れ、地面や草に降り、そこで蛹になる。
 なお、寄生されたセミは体液を吸収され弱ることはあるが、死に至ることはないと考えられている。